カバチタレ!とCCUSゴールドカード

 こんにちは。行政書士の渡辺です。
 11月20日の日経新聞記事「田島隆さん『カバチタレで行政書士を22年描き続けた』」が面白かったのでご紹介します。

 漫画「カバチタレ!」の原作者・田島隆さんのインタビュー記事です。ご存知の方も多いと思いますが、「カバチタレ!」は行政書士事務所が舞台という異色の漫画。僕は読んだことがないんですが、あの「ナニワ金融道」の後継的な作品だそうで、単行本の表紙もナマナマしい画風が似てますね(笑

 この記事の中で、インタビュアーの「ところで行政書士はなぜ知名度が低いのでしょう」という質問に対しての田島さんの答えに頷きました。

 特定の業界を専門にする他の士業と異なり、行政書士の仕事の範囲は著しく広いことがあります。一口に何の専門家と言いにくいのも、行政書士のイメージを描きにくい理由だと思います。

 役所を相手に何か手続きする時は行政書士の出番です。営業許可申請とか許認可手続きですね。次に、万が一に備えて契約書など法的な書類を作りたい時。この2つのイメージだけ持って行政書士事務所に行けば、OK。仮に行政書士の仕事でなくても、それは司法書士だね、弁護士だねと我々が振り分けます。それを嫌がる行政書士はいませんよ。

 そうなんですよね。行政書士の仕事って範囲が物凄く広いんで分かりにくいんです。「訴訟なら弁護士」「政務なら税理士」みたいな一般的なイメージがあまりないので「行政書士って何する人?」と聞かれるといつも困ります(笑
 相続をメインにしている行政書士、補助金をメインにしている行政書士、自動車手続をメインにしている行政書士などなど、行政書士業務はホント多種多様です。

建設業許可関連業務と建設キャリアアップシステム

 そんな広範な業務の中、当事務所では建設業許可関係業務をメインに取り扱っています。
 建設業許可「関係」といっても幅が広く、新規許可や業種追加・変更届・年次報告(決算変更届)・経営事項審査(経審)・競争入札参加資格審査(指名願い)などなど、許可を取るまで・取ってからの業務が様々あります。

 その中でも最近多いのは「建設キャリアアップシステム(CCUS)」関連の業務です。
 主には、これからCCUSを登録しようとする方の支援。事業者情報や技能者情報の登録をお手伝いしていますが、その他にも「レベル判定」の手続も支援しています。

CCUSレベル判定

 CCUSに登録した技能者には建設キャリアアップカード(CCUSカード)が発行されます。
 CCUSカードは4種類あり、レベルによって色が違います。最初に発行されるカードはレベル1(見習い技能者)の白色カード。レベルが上がるにつれて
・レベル2(一人前技能者)は青色、
・レベル3(職長レベル技能者)は銀色、
・最高位のレベル4(高度マネジメント技能者)は金色
のカードが発行されます。

 レベルを上げるには「レベル判定」手続が必要になります。各レベルに上がるための要件があり、その要件を満たしているか審査されます。
 要件は職種によって違いますが、基本的には
①就業日数
②保有資格
③職長・班長としての経験日数
 の3つです。

レベル判定は今がおトク?

 今回ご依頼いただいたのは、レベル1からレベル4へのレベル判定手続でした。何と、白から一気にゴールドカードです。

 実は、①就業日数は本来CCUSに蓄積された就業日数で評価が行われるのですが、まだCCUS運用開始から日が浅いことから、現在は「CCUSに登録されている一番古い資格の取得日から算定」という経過措置が採られています。
 ただこの経過措置、令和6年3月31日までの特例となっています。これ以降については純粋にCCUSに蓄積された就業日数でカウントされる予定です。「10年の実務経験はあるけどCCUSに蓄積されている実績は2年」という場合、就業日数は2年しかカウントされない、ということになります。

 今回ご依頼のレベル判定ではこの特例措置を適用して、無事①就業日数の要件をクリアしました。元々CCUSに登録されている資格情報を参照するので、要件の判断もとてもラクです。
 CCUSのタッチカード運用が具体的に始まっていない現場も多いです。就業日数の蓄積がなかなか進んでいない中、レベル判定は経過措置がある今がおトクかも知れませんね。


 先日、レベル判定後の新しいカードが無事届きました。ゴールドカード、眩しいです(笑

 レベル向上は経審の加点対象にもなっていますが、技能者の士気向上や自社施工能力の客観指標などにもつながります。
 資格をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてください!