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ずいぶん前の話ですが,知人より勧められた映画
「最高の人生の見つけ方(原題:The Bucket List)」のDVDを借りて観ました。
余命宣告を受けた二人の男・エドワード(ジャック・ニコルソン)とカーター(モーガン・フリーマン)が,偶然にも病院の一室で出会ったところから物語はスタート。「余命6ヶ月,一生分笑う」と決めた二人は,棺桶リスト(棺桶に入る前までにやることリスト)を作り始める。「荘厳な景色を見る」「ライオン狩りに行く」「世界一の美女にキスをする」などと書き連ねたリストを手に,人生の期限を言い渡された二人は生涯最後の冒険旅行に出かける…という,爽快な,それでいてどことなく寂し気な物語です。
リストを作り始めた当初,勤勉実直な自動車修理工のカーターが「どうせ何もできない」と諦観するのに対し,大金持ちの実業家・エドワードは「人生はまだ半年も残っているんだ。同情や悲しみの中で窒息するつもりか?今はチャンスなんだ!」と言い返すシーンが何とも印象的でした。人生を悔いなく生きるために何かを始めるのに遅すぎることなんてないんだな,と。
さて,昨今「エンディングノート」の作成が流行っています。
エンディングノートというのは,フランクな遺言書のようなものです。法的な効力はありませんが,自身の死後の葬儀や財産分与をどうしてほしいか,認知症になったあと身上監護や財産管理をどうしてほしいか,決まったフォーマットはなく自由に書きます。
「自分の老いたあと,死んだあとのことを書くなんて『死』を引き寄せそうで縁起でもない」と思う方もいらっしゃるでしょう。僕自身,幸いながら未だ人生の終わりを実感できる歳になく,なぜ多くの人が「死」を想起させるエンディングノートを作ろうとするのか理解できずにいました。しかし,「最高の人生の見つけ方」を観た後,何となくですが,その気持ちに近寄れた気がします。
多くの方はきっと,エンディングノートを「死」という終焉に意識を向けて書くのではなく,今ここにある,まだ続いている「生」にフォーカスを置いて書くのではないでしょうか。
エンディングノートや遺言書なんて本人が死んだあとのことだし,ぶっちゃけ本人には関係ないと云えば関係ないんですが,それを書くことで「子供たちの間で争続が起きないか心配だけど,オレは遺言書を書いた。やれることはやった。みんなきっと墓の前で笑ってくれる。」「延命措置なんて要らん。ってオレはちゃんと言ったからな。」と,心配事を一つ取り除くことができる。そんなに大したことでもないんだけどずっと気になってた,心の隅っこに刺さっている小さな棘を一つひとつ抜いて,「さぁこれでスッキリした。あとは思う存分楽しむだけだ」と。棘が抜けたスッキリした思いで,その後の人生を笑って過ごせる。そんなために書くんじゃないか,と。
エンディングノートや遺言書の作成,ご相談ください。戸籍取付けも含めた家系表(親族関係図)の作成もお受けします。これからの人生,もっと充実させましょう。なんたって余命半年ですら「チャンス」があるんですから。
適格請求書発行事業者登録番号 T7250005008445