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要件事実と内容証明郵便

 10月17日付弁護士ドットコムに,最高裁が岡口基一裁判官に戒告処分の決定を出したとの記事が載っていました。10月19日付日経新聞のコラムにも掲載されていたのでご存知の方も多いでしょう。
 岡口基一裁判官と云えば,以前より個性的な言動で話題に事欠かない先生ですが,「要件事実」に関する書籍を多数執筆されていることでも有名です。法曹関係者・司法試験受験生で知らない人はいないんじゃないでしょうか。
 裁判官という超エリート,あれだけの書籍をまとめ上げた非凡の先生が今回このような処分を受けたことで,改めて憲法上身分が保証されている裁判官という立場を考えさせられました。

 さて。
 「要件事実」とは,ある法律で定められた効果が発生するために主張・立証しなければいけない(最低限の)具体的事実のことをいいます。裁判で売主が「売買代金を支払ってよ」と請求するには,何をいくらで売買する合意をしたっていう事実を主張して,これを立証するために契約書等々の証拠を出さなければ,裁判所は認めてくれません。

 ここで,行政書士の業務のひとつに「内容証明郵便の作成」があります。
 内容証明には二つの効果があると思ってます。まず一つは,内容証明という形式的書面によって依頼者の要望を適えるという事実上の効果です。賃料をノラリクラリと延滞している借家人に対して内容証明郵便を送り,大家さんの本気具合を示すことでプレッシャーをかける,といったところでしょうか。
 もう一つは,そのような書面を出したということを郵便局が証明してくれるという法的な効果です。クーリングオフは書面による通知が必要ですが,葉書による通知よりも,謄本を受領できたり到達を追跡できる内容証明郵便がお勧めです。

 例えば消滅時効。時効期間が経過すれば自動的に借金がなくなるものではなく,相手方に対する時効援用の意思表示が必要です。法律上は口頭での通知でもいいことになっているんですが,万が一裁判で争うこととなった際「言った・言わない」の水掛け論になるのは目に見えてます。結局,消滅時効が認められないともなりかねません。そういう書面を送ったという証拠を残しておくという意味で,内容証明にしておけば安心です。
 ただ,消滅時効が認められるためには,これを認めるための要件事実を主張立証しなければなりません。とにかく内容証明を出しておけばよい,というわけではなく,要件事実を踏まえた内容の吟味が必要です。

 当事務所では,内容証明郵便作成の際,要件事実を確認したうえで書面を作成しています。難しい単語は極力避け,ご理解・ご納得いただけるような平易な説明を心がけています。まずはお気軽にご相談ください。

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