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裁判傍聴と適正手続

 以前より提訴や訴訟進行のお手伝いをしてきた方の尋問期日があり,久しぶりに裁判の傍聴に行ってきました。応援です。数年ぶりの傍聴です。

 件の裁判は行政事件訴訟で,一般的な民事事件や刑事事件とは異なる,珍しいタイプの訴訟です。しかも,今回は取消訴訟・執行停止・義務付け訴訟・仮の義務付けと,差し止めの訴え以外はほぼ全ての訴訟パターンを網羅するという,珍しい中でもさらに珍しい事件でした。
 行政事件訴訟自体が歴史の浅い類型で,特に義務付け訴訟は裁判例も少なく,訴え提起段階での調査に時間がかかった記憶があります。七法(六法+行政法)の中では行政法が得意のつもりだったんですが,やはり基本書で学ぶだけでは分からないことも多く,裁判所に問合わせて担当書記官と一緒になってあぁだこうだ言いながら訴訟の準備を進めてました。

 さて。
 行政法の世界には「適正手続」という基本概念があります。ざっくりいえば「正しい結論は正しい手続から生まれる」という考え方です。いくら結果的に処分の要件を満たしていたとしても,それが正しい過程から生まれたものでなければ国家権力の発動としての行政行為に正当性を認めるわけにはいかない。そんな感じです。

 適正手続は法律上の概念ですが,仕事の上でも役立つ考え方です。
 許認可申請の依頼を受けた。だから,その許認可が下りればそれでいい。そう考えればそれまでですが,企業にとっては許認可の取得が最終目的ではないことが殆どです。売上アップなのか。コスト削減なのか。対外的な圧力なのか。その目的や事情を伺うと「あ。コスト削減でしたらこんなサービスもありますよ」なんていう,別の切り口でのご提案ができることも少なくありません。

 事務所内でいえば,事務員さんに業務をお願いするとき,お願いする経緯や前後の流れを説明することで,意見や自発的な工夫が返ってくることもあります。お願いされる側の「やらされてる感」も軽減するんじゃないかな,と期待しながら。

 忙しさにかまけてつい一方的にお願いしがちになっちゃうんですけど,いかんですね。先日の傍聴で改めて気づいた次第です。

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