法人登記簿の代表者住所非表示

 こんにちは!本格的な梅雨入りですが、心はカラっと晴れやかでいたい渡辺です!梅雨につられて気持ちまでジメっとしては面白くないですもんね。
 そんな梅雨時期に活躍してくれているのが、春に衝動買いしたドラム式洗濯乾燥機。雨の日も洗濯物をカラっと乾かしてくれて大助かりです。
 先日洗濯機のスタートボタンを押したら、なんと洗濯機が「100回目のお洗濯です。いつも大事にしてくれてありがとう」と声をかけてくれました(笑
 回数を数えてくれてたなんてビックリしましたが、いえいえ、こちらこそありがとうございます。

代表取締役等の住所 商業登記簿に非表示

 話は変わりまして。

 2024年10月1日、商業登記規則等の一部を改正する省令が施行されます。これにより、登記事項証明書などにおいて代表取締役等の住所を一部非表示にすることが可能になります。この制度を「代表取締役等住所非表示措置」といいます。

 この措置の背景ですが、会社は会社代表者の住所を登記する義務があり、現在は登記事項証明書を取得することで、原則として誰でも代表者の住所を知ることができます。しかし、プライバシーや個人情報保護の観点から現状の制度を見直すべきとの議論があり、希望者は住所を非公開とする本措置の制度が創設されました。
 「法人設立すると、自分の自宅の住所がみんなに分かってしまう。脅迫やストーカー行為が心配だなぁ」と考えて、法人設立を躊躇する起業家もいるかも知れません。そういった方にも安心してビジネスへ新規参入してもらう措置ではないかと思います。

措置が講じられた場合の登記事項の表示

 代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合、登記事項証明書等において、代表取締役等の住所は最小行政区画までしか記載されないこととなります。
 宇部市の住所だったら「山口県宇部市」までの表示にとどまる、ということですね。

措置に伴うデメリット

 プライバシーや個人情報保護が重視される昨今において、本措置は画期的な取り組みである一方、一定のデメリットも予想されます。
 法務省のウェブサイトでも「代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合には、登記事項証明書等によって会社代表者の住所を証明することができないこととなるため、金融機関から融資を受けるに当たって不都合が生じたり、不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増えたりするなど、一定の支障が生じることが想定されます。」と注意を喚起しています。
代表取締役等住所非表示措置について(法務省)


 法人設立や許認可のお手伝いをしている仕事柄、会社役員の方の住所を見る機会が多いのですが、自分の自宅住所が公開されているっていうのは、確かに不安を覚えることも多いでしょう。
 10月以降の法人設立のお手伝いでは、しっかりこの改正を説明して、カラっと晴れやかな気持ちで法人を設立していただこうと思います!