中高年のひきこもりとなやみのとびら

5月12日付日経新聞社説で見つけた「8050問題」というキーワード。
80代の親と50代の子どもが社会的に孤立し困窮する,という社会的問題をいいます。中高年は病気や障害,貧困など複合的な課題を抱えやすいことから,中高年のひきこもりはその対策が急がれています。
40代というと就職氷河期を経験した世代。バブル崩壊後の就職難にさらされ,意に反して非正規雇用となっている方も多い世代です。中高年のひきこもり問題にはこういった時代背景もあるのでしょう。

行政書士は遺言や後見に関する業務も取り扱っていますが,本人だけでなく家族へ目線を向けることも大切だということを改めて肝に銘じました。
親御さんに十分な資産がある場合には,「親なきあと問題」の解消方法として家族信託もクローズアップされています。家族信託はもっと利活用されてもいい制度だと思います。勉強しなくては。

さて。

日経プラス1に「なやみのとびら」というコーナーがあります。読者からの相談に回答するという,まぁありがちなコーナーなんですが,その回答の内容が絶妙で好んで読んでいます。特に脚本家の大石静さんの返しがシニカルで何とも小気味いい。

昨年12月1日付。
「40歳になっても次男が働きません。…親が死んだらどうやって生きていくつもりなのでしょうか?」という相談に対する大石さんの回答が
「運を天に任せて,考えないことです。」
何という歯切れの良さ。ある意味清々しいのですが,無責任と受け止められかねないかも?
「息子さんのことは,もう考えないようにして,あなた自身が好き勝手に生きる方向で,人生を再スタートさせてください。簡単ではないですが,そうしないとあなたが倒れてしまうと思います」。
なるほど。

ガラッと変わって1月12日付の相談。
「アラフィフにおける本当の恋愛とはなんでしょうか?」
この質問もどうかと思うんですがそれは置いといて,同氏の回答の締めがまた秀逸です。
「あなたはそんなことを理解しないでもいいように思います。今のまま,旦那様だけ見つめて生きてください。」

膝を打ちます。