季節の変わり目と建設キャリアアップシステム(CCUS)

昨日は弁護士・事務員も交えた事務所の懇親会だったんですが,雨が降り出す寒い夜でビックリしました。これまで汗ばむ暑さだったお天気が,急に秋の気配を感じる気温に。
季節の変わり目,皆さまもお身体だけはご自愛ください。

変わり目といえば,建設業界にも興味深い変化が起こり始めています。

国土交通省は13日、中央建設業審議会(中建審、柳正憲会長)の総会を東京都内で開き、経営事項審査(経審)の改正案を提示した。建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベル判定を活用して優れた技能者を雇用する企業を評価。技術者・技能者の継続的な教育に努める企業を新たに評価する。経理状況を評価する対象者にも継続教育の観点を取り入れる。
(建設工業新聞9月17日)

建設キャリアアップシステム(CCUS)が,とうとう経審の評価ポイントに反映されることになるそうです。
Z点(技術力),W点(社会性等)の評価項目にCCUSの登録状況が加味されるようになるとのこと。レベル4技能者に3点,レベル3技能者に2点が付与される様なので,企業によっては結構なプラスポイントになりそうです。

改正は,Z点については2020年4月施行,W点については21年度施行を予定。来年早々からスタートです。

もう一つ,山梨県での取り組みをご紹介します。

山梨県が県土整備部発注の土木一式工事を対象に、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用に取り組んでいる企業を評価する。全国で初の取り組み。総合評価方式の評価項目に「技能者の登録」を追加。入札に参加する事業者、雇用する技能者(人数は問わない)がCCUSに登録している場合、評価点を2点加点する。「優秀な技能者による施工が品質の良い公共工事につながる」(県土整備部)とし、CCUSの普及を後押しする。
(建設工業新聞9月3日)

ここ最近のCCUS推しは勢いがあります。

さて。
当事務所では外国人技能実習生の入管関係案件(技能実習計画認定申請,在留資格認定証明書交付申請,在留資格変更許可申請など)の業務処理も多いのですが,先日,登録支援機関の登録をされた監理団体から特定技能の在留資格に関するお問合せ等もありました。特定技能は今年4月から新設されたばかりの在留資格ですが,動いている企業は動いている様です。
CCUSも同じく今年4月に本格運用が始まったばかりで,しかも都会の大手ゼネコンが主体のシステムというイメージがあり,まぁ地方・中小への普及には時間がかかるだろう,と高を括っていました。ところが,建設業の特定技能については受入企業のCCUS登録が上乗せ基準となることが発表され,これは意外と注視が必要かな…と思い始めていたところでした。

そして今回の山梨県の取り組みと経審反映。
「経審の評点を上げたい」という需要は多いですから,CCUSは一気に広まりを見せるかも知れません。

夜も過ごしやすいこの時期,勉強にはもってこいの季節。
僕もCCUSの理解を深めて皆さんのお役に立てるよう頑張ります。