行政書士制度70周年と経管・専技のテレワーク

 皆さまこんにちは。行政書士の渡辺康成です。

 さて。昨年末,こんな動画が公開されました。
日本行政書士会連合会広報部制作「行政書士制度70周年記念動画」

 1951年に行政書士法が成立し,,昨年2月22日に行政書士制度が70周年を迎えました。それ以前の代書業者は「代書人」と呼ばれていたそうです。今でも行政書士のことを「代書屋」と呼ぶ方もいらっしゃいますね。
「代書」,つまり,皆さんから依頼を受けて書類を作成する仕事…って言っても,範囲が広すぎて正直ピンと来ないですよね。私も行政書士になりたての頃はよく分かっていませんでした(笑
 こちらの動画をご覧いただければ,行政書士の仕事が少しはご理解いただけるかも知れません。

経管・専技の「常勤・専任要件」

 そんな行政書士の業務の中の一つに,建設業許可申請があります。
 私たちも建設業許可申請をはじめ,決算変更届や経営事項審査(経審),建設キャリアアップシステム(CCUS)など,建設業にまつわる様々な手続のお手伝いを中核業務の一つとしています。

 この建設業許可の要件は中々にシビアなのですが,そのシビアな要件の一つに「常勤・専任要件」があります。
 経営業務管理責任者(経管)や専任技術者(専技)は,顧客への説明に対応したり,いろんな現場での技術的な問題に対応したりできるよう,勤務時間中はその職務に従事していることが求められます。原則として,工事現場の配置技術者等を兼ねることはできません(例外が原則化している部分はありますが)。
 イメージとしては「勤務時間中は営業所にいなさい」ということです。

 でも,これって違和感ありませんか?
 誰でも携帯電話をもっていて,ネットワークのインフラもこれだけ普及しているこのご時世に「経管と専技は営業所でデンと座っていろ」って言うなんて…時代遅れの規定だなぁ,と感じていました。

常勤・専任要件の柔軟化

 そんな中,この常勤・専任要件が緩和されました。

 国土交通省は昨年12月9日,経管,専技等の常勤・専任要件につき,建設業許可事務ガイドラインを改正しました。
 本店等にいる場合と同等の業務を遂行でき,ICT(情報通信技術)の活用で業務時間内に常時連絡を取れること等を条件に,テレワークなどが認められるようになったのです。
 実は,経管や専技等のテレワーク対応は昨年4月から特例措置として実施されていましたが,今回これがスタンダードな勤務形態の一つになった,ということです。

 注意点としては「どこでテレワークしてもOK,という訳ではない」という点です。例えば,専技は緊急時等には対面での説明・現場確認が求められるケースも考えられるので,営業所に常識上通勤不可能な場所でのテレワークについては常勤・専任要件を満たさないものとされています。


 お堅い法令の運用も,時代に合わせて変化しています。
 行政書士法も,生まれた70年前から様々な法改正がありました。社会では新しい制度やビジネスが生まれ,行政書士に求められる業務ニーズも刻々と変化しています。

 私たちも,このニーズの変化にお応えできるよう,時流に合わせて柔軟に対応していきたいと思っています。
 少なくとも私が事務所でデンと座ってちゃいけないですね。今年もどんどん飛び回ります!