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事例

土地の賃貸借契約書の作成,戸籍謄本の取付け,相続関係図の作成,証明書発行手続,許認可申請手続,法的規制の調査

 以前より懇意にしてくださっているAさんより,所有する農地についてご相談がありました。

 農地を貸しているが,賃貸借契約書も何もなく,権利関係が判然としない。私も若くなく,このままでは土地を引き継いだ子供たちが将来困るだろう。
 そこで,この農地の賃貸借契約書を作成して欲しい。

1.現状の権利関係の調査

(1) 不動産登記簿謄本
 まず,本件土地の不動産登記簿謄本や公図を取り付け,権利関係を確認します。
 地目は「畑」。甲区にはAさんが権利者としての登記があり,乙区の設定は何もありません。
 ここで,農地を貸しているということは,賃貸の際に農地法の許可申請/届出がなされていたことが考えられます。そこで,農業委員会に備え付けられている土地台帳の記録を確認します。

(2) 農業委員会
 土地台帳には,賃貸借当事者が現在の賃貸当事者の先代の名前で記録されていました。ところが,本来であれば農地法3条(用途の変更を伴わない賃貸借等)の申請に際して賃貸借契約書を添付して提出しますが,本件は相当昔に賃貸されているらしく,農業委員会にも賃貸借契約書がありません。
 そこで,農業委員会と協議し,本件については新たに賃貸借契約を締結することにつき問題がないことを確認します。

2.戸籍謄本の取付け,相続関係図の作成,証明書発行手続

(1) 戸籍謄本の取付け,相続関係図の作成
 Aさんに調査結果を報告し,今後の方針をご説明します。本件では「農業委員会の土地台帳に記録があること」「当事者間で賃貸借契約が締結されていること」を書面に残すことで,権利関係が明瞭になります。
 まず,農地法許可証明書の発行申請を準備します。現在の土地台帳には先代の名前が記録されているため,このままではAさんの名前で証明書発行を申請することが出来ません。申請には,記録上の当事者(先代)とAさんとの繋がりを証する資料,すなわち相続関係図と戸籍謄本等が必要となります。
 そこで,職務上請求により戸籍謄本等を取り付け,先代からAさんまでの相続関係図を作成します。
 そして,許可証明書の発行申請書を作成し,農業委員会に提出します。数日程度で証明書が発行されます。

(2) 賃貸借契約書の作成
 続いて,農地の賃貸借契約書の作成です。
 今回の土地は,いわゆる小作権が付されているという特殊事情がありますので,宅地建物取引業協会の契約書標準約款のようなものでは使い勝手が宜しくありません。そこで,この事情を踏まえた上で契約書を一から作成します。
 借主の方ともお打合せし,契約書の内容を詰め,契約書を完成させます。
 最終的には私どもが立ち合いのもと,双方当事者に署名捺印いただきます。

3.アフターフォロー

(1) 関係法令による制限
 依頼を受けた業務の処理は以上で終了ですが,加えて,考えられる今後の手続につき助言します。
 まず,合意による解約等により賃貸借契約関係が終了した場合,農地法18条に基づく手続が必要となります。そして,将来宅地として売買する場合,農地法5条に基づく許可申請/届出が必要となります。
 次に,本件土地に係る法令上の制限を確認します。都市計画法や開発行為要綱等による規制がありますが,本件土地の面積や売買の際に予想される造成工事等からすると,開発行為の許可が必要になる可能性があります。これを踏まえ,考えられる処分のパターンとそれぞれの留意事項をアドバイスします。

(2) 報告書の作成
 これまでの処理内容や,その後予想される手続等を取りまとめ,Aさんにご報告します。
 「将来子供たちが困らないように」というご希望でしたので,必要な情報を整理した上で報告書としてAさんにお渡しします。