資本性借入金と経審コンサル

 こんにちは!!今日一日で財務諸表9件分をチェックして頭から湯気が出ている渡辺です。建設業許可や決算変更届のご依頼がなぜか集中してこんな件数に…事務スタッフが頑張って処理してくれるのはとても嬉しいんですが、続けざまに財務諸表ばっかり見てて、表情が無くなってきました😅

資本性借入金

 話は変わりまして。
 先日、興味深いニュースを見かけました。
資本性借入金で負債控除 経審評点アップも

 今年7月からの経審において、資本性借入金を負債ではなく自己資本とみなすよう制度が改正される、というものです。
 この資本性借入金、名前の通り借入金なんですが、金利設定が業績に連動することや法的破たん時の劣後性が確保されていること等々が認められると「十分な資本性がある」として金融検査の際に資本とみなされるものです。資本性劣後ローンとも呼ばれてます。
 2004年2月から導入された比較的新しい制度ですが、災害やコロナ禍の資金繰り支援にも使われてきたもので、近年増加傾向にあるそうです。

経審での効果

 さて。経審ではどのような効果があるでしょうか。
 資本性借入金が借入金ではなく自己資本としてみなされる、ということはつまり「借入金が減って自己資本が増えると扱われる」ということです。
 これによって経審で影響が現れるのは以下の項目です。

  1. X:経営規模
    • X2…自己資本額
  2. Y:経営状況
    • X2…負債回転期間
    • X5…自己資本対固定資産比率
    • X6…自己資本比率

 XのX2は、ズバリ自己資本が大きいと加点となる要素です。
 YのX2は「負債総額が何か月分の月商に当たるか」というもので、小さいほど加点となります。負債(借入金)が減るので加点となる、ということです。
 YのX5は「固定資産に対する自己資本の割合」、X6は「総資本に対する自己資本の割合」です。いずれも大きいほど加点となります。自己資本が増えるので加点となる、ということです。

経審コンサルティング・経審シミュレーション

 …と解説しましたが、経審を受けていらっしゃる企業の関心は「ぶっちゃけ、じゃあ何点上がるの?」ではないでしょうか。
 経審の難しいところは「借入金がン千万円減ったら点数が○点上がる」と簡単に言えないところ。実際に計算してみないと分からないんですが、手で計算するには計算方法が余りに複雑です。

 私たちがご提供している「経審コンサルティング」では、ご相談者の現在の経審受審状況からシミュレーション環境を構築し、これを元に様々な要素を変動させてリアルタイムでシミュレーション結果をご覧いただいています。「何がどう変わったらどれだけ点数が上がるか」という結果が目の前で分かるので、これから何をどう取り組んだらいいのかを分かりやすくご判断いただけるのが特徴です。

 一つ一つの取組の効果は、一気に数十点上がるものもありますが、上げ幅が数点という小さなものが多いです。しかし、経審の点数はこの数点の積み重ねです。塵も積もれば山となる。小さな加点もコツコツ拾って、全体での改善を目指して粘り強く検討します。


 お客様から「お陰でランク(等級)が上がったよ」と言われると、本当に嬉しい気持ちになります。「伴走してる」ということを肌で感じます。

 経審は、ここ暫くは大きな制度改正はありませんが、建設機械の対象の拡大など、前回改正を拾い切れていない企業もまだまだ多いです。今後も制度改正の情報もキャッチアップしながら、ますます経審コンサルの質を向上させるよう頑張ります。
 また「お陰でランクが上がったよ」と言われるように!!