解体工事業登録と建設業許可

 こんにちは!今年の営業日も残り1週間ほど。年内に仕上げたい案件処理を進める一方、来年の新しい取組みについて色々考えている渡辺です。
 週末の事務所は人もいなくで電話も鳴らず、考えごとをするには静かで快適なんですが、静かすぎるというのも落ち着かないモノ。そこで、事務所にあるスマートスピーカーで、平日も土日もカフェBGMを流しっぱなしにしています。平日のお客様との打合せの時にBGMがあるのとないのとでは雰囲気がかなり違いますし、普段の業務でもリラックスできるので気に入ってます。

 そのスマートスピーカー、12:00になると「お昼の時間です」と教えてくれるように設定しているんですが、そのとき一緒に「面白いネタ」を紹介してくれます。これがなかなかツボに入ります(笑
 今日のネタはこんな感じでした。

このまえ山に登ったんですが、すごいお宝を見つけました。何と、私の雑巾です。そう、『マイ・雑巾』です。

 他にも、

好きな人とかけまして、嫌いな人ととく。そのこころは。
「はなしたくありません」

ビールとかけまして、恋人ととく。そのこころは。
「あわないと寂しいです」

 山田くん、座布団一枚。

 話は変わりまして。
 そんなに多くはないんですが、たまに「解体工事業の登録をお願いしたい」というご相談があります。

解体工事業は特殊

 建設業法では工事の種類を29に分類していますが、その中でも解体工事業はちょっと特殊です。
 建設工事を請け負うには、原則として建設業許可を受ける必要があります。但し例外として、500万円未満の工事(建築一式工事の場合は1,500万円未満の工事)を請け負う場合は許可を必要としません。
 これが大原則なんですが、解体工事の場合は、請負金額にかかわらず

  • 建設業許可か、
  • 解体工事業の登録

 を受けている必要があります。「500万円未満の工事であっても、建設業許可か解体工事業登録がなければ請け負うことができない」となっています。

解体工事業登録と建設業許可の違い

 では、解体工事業登録を受ければ、建設業許可を受けたのと同じように解体工事を請け負うことができるのかというと、ちょっと違います。
 一番大きな違いは、

  • 解体工事業登録を受けたとしても、1件500万円以上の工事は請け負えない

という点です。500万円以上の解体工事を請け負うには、やはり建設業許可が必要です。

 また、解体工事業登録の場合は

  • 施工可能な場所(現場)は、登録を受けた都道府県のみ

という制約もあります。建設業許可を受けた場合は全国で施工が可能なので、これも大きな違いとなります。

 イメージとしては、建設業許可は解体工事業登録の上位互換となります。

解体工事業登録の「技術管理者」要件

 解体工事業登録についてのご相談の殆どは、「解体工事の依頼があったが、元請(依頼者)から『建設業許可か解体工事業登録が必要だ』と言われた。許可は難しそうなんで、とりあえず登録をしたい」という内容です。
 「解体工事業登録の方が建設業許可よりカンタンそうだから」という理由です。

 確かに、建設業許可の要件の方が解体工事業登録より厳しいです。しかし、解体工事業登録が簡単かというと、そういう訳ではありません。
 一番問題となる点は「技術管理者」の要件です。

 解体工事業登録を受けるには、技術上の管理を行う「技術管理者」という人を置く必要があります。建設業許可でいう「専任技術者(営業所技術者)」のイメージです。
 この技術管理者、誰でもよいという訳ではなく、

  1. 資格を持った人か、
  2. 解体工事の実務経験がある人

でなければなりません。

 ①の資格は、土木施工管理技士や技術検定のとび・とび工などが該当します。建設業許可の専任技術者の要件とほぼ同じです(若干異なる部分もあります)。

 ②の実務経験は、通常8年が必要となります。指定学科の大学/高校を卒業した方であれば、4年や2年に短縮されます。解体工事施工技術講習を受けた方であれば更に短縮されます。

実務経験の難しさ

 ①の資格を持っている人がいる企業であれば、建設業許可の要件を満たすケースが非常に多いです。わざわざ下位互換の解体工事業登録を受ける必要はないでしょう。
 ご相談で多いのは、①の資格者がいないケース、つまり、②の実務経験で解体工事業登録を受けたい、というものです。

 ここで問題となるのが「実務経験が確認できる書類をどうやって用意するか」です。

 実は、平成12年5月31日に交付された建設リサイクル法によって、建設業許可か解体工事業登録を受けた企業でないと解体工事を請け負うことができないとされました。
 ですので、これから登録を受けようとしている企業の実務経験として提出できる契約書や注文請書は、これ以前のものに限られる、ということになります。

 輪をかけて厄介なのが、建設業許可同様、山口県ならではの厳しさです。
 山口県では、工期換算で12ヶ月分の請負契約書・注文請書を用意してはじめて1年分の実務経験があると認められます。8年分の実務経験であれば、約100か月分の注文請書等を用意しなければならない、ということになります。
 提出できる注文請書等の制限と、用意しなければならない量。かなり高いハードルです。

解体工事業登録の有用性

 こういった事情から、私たちの事務所で解体工事業登録をご依頼いただいたケースでは、技術管理者の要件を実務経験でクリアするのではなく、資格者でクリアする場合が殆どでした。
 「資格者がいるなら、解体工事業登録ではなく建設業許可でいいんじゃない?」とも考えられるのですが、資格者がいても、建設業許可の「経営業務管理責任者(「経管」:経営業務管理体制)」の要件をクリアできない場合もあります。このような場合は「まずは解体工事業登録を受けよう」という選択が現実的となります。
 これまで私たちがお手伝いした解体工事業登録のケースでも、登録を受けた後に経管の要件を満たすようになってから、改めて建設業許可を受けています。

 なお、解体工事業登録を受けた後に建設業許可を受けた場合は「建設業許可取得通知」という書類を都道府県知事に提出して、「解体工事業登録抹消通知」という書類を受けます。建設業許可は解体工事業登録の上位互換なので、この手続によって最初に受けた解体工事業登録は失効します。


 なかなかややこしい解体工事業登録。「簡単だ」とお考えの方が多いのですが、技術管理者の要件が鬼門となっているので、それほど簡単な手続ではありません。県の担当者に聞いたところ、実際の申請件数はかなり少ないそうです。
 それでも、経管の要件を満たせていないから許可より登録を優先させる、という選択肢は十分アリです。現時点でどちらの選択がより有効・適切なのか、迷われましたらぜひご相談ください。