法定相続情報証明制度

 皆さまこんにちは。行政書士の篠原奈保美です。
 気づけばもう6月ですね。何と,1年の半分が今月で終わろうとしています。
 6月といえば梅雨の季節。コロナのせいか季節感がありませんが,今日は雨模様ですっかり梅雨の景色です。
 窓の外を眺めて中原中也の雨の詩を思い出したりしています。現実逃避でしょうか。

相続と株式移管

 さて先日,相続のご相談をお受けしました。
 お亡くなりになった方は多数の株式を保有されていたのですが,この株式を相続人に相続させて名義を変更したい,というご相談です。
 株式はいくつもの信託銀行で管理されていて,手続も分からないし煩雑なので全て依頼したい,とのご希望でした。

 株式のような相続財産を相続人の方に名義変更するためには,被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍・除籍等を取り付け,これを株式を管理する信託銀行などに送付する必要があります。
 私の方で戸籍を辿ったところ,何度も県外に本籍地を変更されていたので,お亡くなりになるまでの戸除籍謄本等は相当な数になり,取り付けにも時間がかかりました。

法定相続情報証明制度

 これを各信託銀行に送って相続手続…となるのですが,今回は送付先の信託銀行の数も,戸除籍謄本等の量も非常に多い。書類の束をこっちに送って,戻ってきたらあっちに送って…とすると,かなり煩雑です。

 そこで今回は,法定相続情報証明制度を利用することにしました。
 この制度は,登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束を提出し,併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すれば,登記官がその一覧図に認証文を付した写しを交付してくれる,というものです。
 各信託銀行は,この法定相続情報一覧図の写しを戸除籍謄本等と同等に扱ってくれるので,束を何度も送ったり戻したりする必要がなくなります。
 しかもこの法定相続情報証明制度,手数料がかかりません。

 法定相続情報一覧図は,代襲相続が生じた場合や,旧民法(明治31年法律第9号)下における相続が生じている場合等で記載方法が違いますので注意が必要です。

 戸除籍謄本が大量になると,相続人の範囲を確認するだけでも結構な労力になります。戸籍の取り付けでお困りの方,お気軽にご相談下さい。私たちがサポートさせていただきます。