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オリンピックと合同会社設立手続

 皆さまこんにちは。行政書士の篠原奈保美です。
 ついにオリンピックが始まりましたね!昨日の朝はバドミントンの混合ダブルスに釘付けでした。あぁ,また仕事が手に付かなくなる…

 さて,今週は法人設立のご相談がありました。
 ご希望は「会社を設立したい」です。

法人の形態

 法人を立ち上げて事業を行う場合,法人の形態は「株式会社」か「合同会社」を選択することが一般的です。

 株式会社は,株主が出資して,株主から委任された経営者が会社の業務を行います。
 会社にお金を出す人と実際に経営する人は,形式上は分かれています。「所有と経営の分離」といいますね。

 合同会社は,出資する人と経営する人が同じです。「所有と経営が一致」しています。

株式会社のメリット

 合同会社と比べて株式会社を設立するメリットは,何といっても「社会的信用」でしょう。「株式会社」といえば認知度が高く,社会的な信用が高いです。人材募集の際にも「株式会社」と書いてあれば安心を与える場合が多いようです。
 また,株式を発行して外部から資金を調達することができますので,上場も含めて資金調達の選択肢が多いのも特徴です。

合同会社のメリット

 他方,合同会社を設立するメリットとしては,以下のようなことが挙げられます。

①定款認証が不要

 株式会社の場合,設立の登記に先立って公証人から定款の認証を受けなければなりません。定款認証の手数料だけでも5万円かかります。
 合同会社の場合はこの定款認証の手続が不要ですので,手間も費用も節約できます。

②登記費用が安い

 株式会社の場合,設立登記の際に納める登録免許税は15万円(または資本金額の0.7%のうち高い方)です。
 合同会社の場合,この登録免許税は6万円(または資本金額の0.7%のうち高い方)ですので,半額以下に抑えられます。

③意思決定が迅速

 株式会社の場合,会社の重要事項は株主総会で決議する必要があります。
 合同会社は出資者と経営者が同じ人なので,株主総会を開催する必要がなく,迅速な意思決定が可能となります。
 機動性のあるスピーディな会社経営が期待できますね。

④ランニングコストが安い

 株式会社の場合,役員(取締役など)には任期があります。通常2年や10年といった任期となりますが,再任であってもその都度登記が必要となり,登録免許税や司法書士費用がかかります。
 合同会社の場合は役員の任期を設ける必要がありませんので,このような手続も費用も不要です。
 また,合同会社は株式会社と違って毎年の決算公告義務もありません。

合同会社のデメリット

 最近は合同会社が増えてきたとはいえ,株式会社と比べると認知度も信用度も低めです。
 人材募集の際には人が集まりにくいということもあるかもしれません。金融機関によっては合同会社で口座を開設する場合「株式会社にしなかった理由」を聞かれることもあるそうです。
 また,株式会社と違い株式を発行しませんので,資金調達の方法も限られます。

 今回のご相談は「許認可に法人格が必要」「株式発行での資金調達の予定はない」「株式会社というブランドは不要」「コストをできるだけ抑えたい」というご希望でしたので,合同会社設立の方向でお話を進めることになりました。

 どのような法人の形態が適しているかは今後の事業展開によりますので,じっくり考えたいところです。
 法人形態による手続や費用などの違いは案外分かりにくいものです。事業計画の立案と並行して,法人設立についてもお気軽にご相談ください。

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