建災防/ずい道等建設労働者健康管理システム、登録事業場が700に

建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)が、トンネル工事など掘削現場で働く建設技能者を対象に運用する「ずい道等建設労働者健康情報管理システム」で登録事業場数が700事業場(2月時点)、登録者数が3871人(同)に達した。年間で事業場は約100事業場、登録者は約600人のペースで増加。建災防は今後、事業者が事業場情報やずい道等建設労働者の健康診断情報などを登録しやすい環境を整備するため、システム改修などを予定している。
建設工業新聞 2025年4月24日
以前登録した技能者が別の現場に従事するに当たり、再度登録する複数回の登録実績も積み上がっている。2月時点で累計の健康情報登録者3871人のうち、登録1回目が2176人、2回目が977人、3回目以上が718人。登録回数を深掘りすると、6回目が24人、7回目が11人となった。
同システムは粉じん作業の従事歴情報などが所属する事業者を通して蓄積されるシステム。2019年に運用を始めた。
トンネル切羽で働く作業員を対象に名前や連絡先、建設キャリアアップシステム(CCUS)のID、事業場退場時のじん肺健康診断結果などを登録する。厚生労働省の補助を受け、掘削現場で働く技能者のじん肺健康診断結果と作業従事歴を一元的に管理。技能者本人の申請によって健康情報を提供している。
健康管理によってトンネル工事などに従事する人が、粉じん作業などでじん肺に罹患(りかん)することを防止すると同時に、罹患した場合、適切に労災申請できるようにするのが目的。じん肺は症状が悪化するまでに長期間を要するため、現場を転々とすることが多いトンネル工事の技能者は労災申請先が分からないケースもある。