振興基金/CCUS登録技能者がスマホで履歴蓄積確認、モニター1000人で実証へ

建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)は、技能者個人のスマートフォンで就業履歴蓄積状況が確認できるウェブアプリケーションを開発した。パソコンを使う従来の確認方法に比べ時間や場所などに制約されず、手軽に把握できるのが特色。早期の実用化を目指し、9、10月に1000人のCCUS登録技能者をモニターし実証する。技能者が日々の蓄積状況を実感しやすくし、処遇改善につながる現場でのカードタッチや能力評価制度の申請を後押しする。
建設工業新聞 2023年8月7日
アプリの名称は「技能者パスポート」。情報処理システムの開発や運営などを手掛けるUSD(東京都品川区、上原正士社長)に委託し開発した。
スマホでCCUS登録技能者の就業履歴蓄積状況をいつどこにいても分かりやすく瞬時に把握、確認できるのが特色。就業履歴蓄積状況の情報は、実際に働いた1日当たりの現場の名称や携わった立場、作業内容、職種、入場・退場時間といった項目で構成する。カードタッチによって就業履歴が蓄積されていくのと連動し、アプリで管理される就業履歴の情報も自動的に更新される。
併せてCCUS登録技能者としてIDなど基本情報や保有資格、資格の有効期限なども確認できるようにした。技能者が保有する資格などの画像情報は改ざん困難なデジタルデータ作成技術「NFT」と連携。情報に関する真正性の裏付けや管理の厳格化を図る。
技能者にとっての便利機能も導入している。日建学院を運営する建築資料研究社(東京都豊島区、馬場栄一社長)が展開しているCCUS登録技能者向けのコンテンツ「レベルアップ診断」とも連携。CCUS登録技能者全体の約4割に相当する7職種(内装仕上工事、電気工事、型枠、鉄筋、配管、機械土工、左官)を対象に、技能者の資格取得日や保有状況に応じて能力評価基準に基づくレベル判定見通しを「◯」もしくは「×」で表示。レベルアップに必要な日数や資格も分かる。
振興基金は9、10月にアプリの実証を展開。その後、検証結果を踏まえ実用化の可否や時期などを判断する。実証に参加する技能者の募集を8日に開始。1日時点でCCUSに登録している技能者1000人を対象に、31日まで先着順に専用フォームで受け付ける。