MENU

    高知県/県内企業の格付けにCCUS活用/事業者登録を後押し

     高知県は、県内建設事業者を対象に実施している格付けの審査に建設キャリアアップシステム(CCUS)の項目を設ける。入札参加資格審査基準日にCCUSの事業者登録を完了している場合、地域点数(主観点)の算定で評価点10点を付与する。地域企業のCCUS導入を後押しする狙いがある。2023年度の資格審査(24~25年度資格)から適用する。
     主観点算定方法の要領を改定し、審査項目の一つに加えた。全業種が対象となる。次回26年度以降の審査では、CCUSの事業者登録が進んでいることを見据え評価方法を変更する。
     26年度以降は現場へのカードリーダー設置状況など環境整備を評価する。入札参加資格基準日の属する年度の前々年度から前年度までの間に、発注者から直接請け負った国内建設工事に従事する者の就業履歴をCCUSに登録するために必要な措置を実施した工事1件につき、評価点2点とする。上限は10点とする。
     CCUS運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)によると、6月末時点の高知県内の技能者のCCUS登録数は6016人、事業者登録数は925社(一人親方を除くと625社)。いずれも四国4県で登録数が最も少ない。
     高知県内の地域建設業では職人を直接雇用している企業もある。そうした企業では職人が多能工として活躍しており、CCUSでの就業履歴の蓄積が難しいことから登録に後ろ向きな意見もある。
     高知県建設業協会(國藤浩史会長)が四国地方整備局の直轄Cランク工事でCCUSモデル工事の実施に賛同を示したことを受け、県では同整備局の動向を参考にしながら県発注工事でのモデル工事の実施を検討する。工事成績評定や総合評価方式での加点といった次のインセンティブを考えていく。

    建設工業新聞 2023年8月17日