CCUS活用インセンティブ自治体工事で導入拡大、成績加点や費用補助/国交省調査

建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入や活用に積極的な元請企業を評価する動きが、地方自治体で着実に広がってきている。国土交通省がまとめた最新の調査結果(8月21日時点)によると、都道府県で地元建設業協会の同意が前提になる同省直轄Cランク工事でのCCUS活用モデル工事を実施済みまたは予定しているのは青森、山形を除く45都道府県。2023年度以降、新たに5県が実施表明した。都道府県や市区町村が発注する工事でも同様の動きは増えている。
建設工業新聞 2023年9月8日
直轄Cランク工事のCCUS活用モデル工事は、特記仕様書に示した事業者登録率や技能者登録率、就業履歴蓄積率(カードタッチ率)の水準を達成すると工事成績評定で加点する仕組み。23年度以降に実施表明したのは茨城、千葉、神奈川、新潟、三重の5県になる。
都道府県が発注する工事では全ての団体が、CCUSでの企業評価などを導入または検討している。41道府県が実際にCCUSの導入に対し企業評価などのインセンティブ措置を導入し、残る青森、山形、千葉、東京、富山、高知の6都県も企業評価の導入検討方針を打ち出している。41道府県のインセンティブの内訳を内容別に見ると、CCUS活用モデル工事の工事成績評定での加点22道府県、総合評価方式の入札での加点21府県、入札参加資格での加点13県、カードリーダーなど費用補助16道県。多くの団体が複数のインセンティブ措置を講じており、群馬、宮崎の2県はこれら全てのインセンティブ措置を取り入れている。
同様の動きは市区町村の発注工事でも国や都道府県に続き広がっている。国交省によると、7月末時点でCCUS活用モデル工事の工事成績評定での加点を福島県郡山市など4市町、総合評価方式の入札での加点を福島市や東京都世田谷区、東京都大田区など40市区町村、入札参加資格での加点を23市町村が実施。郡山市はこれら全てを展開し元請企業のCCUS導入を後押ししている。
国交省は各地で開かれる都道府県公共工事契約業務連絡協議会(都道府県公契連)などの場を活用し、積極的な対応を呼び掛けていく方針だ。