CCUS推進協/現場利用の機能充実へ/認識共有、一人親方の実態把握強化も

建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した技能者の処遇改善について産学官の幅広い関係者で話し合う「CCUS処遇改善推進協議会」の第2回会合が東京都内で6日開かれ、中長期的に取り組む重点課題を共有した。CCUSの現場利用を促すため元請主導の環境整備を推進。技能者の休暇取得状況の確認に利用するなど、現場管理機能も充実させる。「適正でない一人親方の目安」の明確な基準策定に向け、取引事業者だけでなく一人親方を直接対象とした実態把握調査を行う方針も示した。
建設工業新聞 2022年10月7日
協議会は国土交通省など行政機関に加え、建設業81団体、建設業関係8団体、民間発注者16団体などで構成。社会保険加入促進に焦点を当てていた従来組織を昨年12月に発展的に改組し、処遇改善を巡る諸課題にCCUSの活用を通じて取り組むことを明確にした。
会合では事務局を務める国交省が重点課題として▽CCUSの推進▽建設業の一人親方対策の推進▽建設業退職金共済(建退共)・CCUS連携の利用促進-の3点を挙げた。CCUS推進策として能力評価(レベル判定)制度との連動でレベル別の手当支給を促進するなど、技能者の賃金上昇に向け建設業界との連携を強める。
CCUSというデジタル技術の活用で現場管理の効率化や働き方改革につながるといった認識も共有。公共工事での利用を念頭に、登録技能者の週休2日の達成状況を発注者が確認できる機能をシステムに追加搭載し11~12月に供用開始する。
一人親方対策では雇用労働者と線引きする「働き方自己診断チェックリスト」の活用を促進。来年度末にも一定の道筋を示す「適正でない一人親方の目安」の具体化も目指す。国交省は一人親方の実態を詳細に把握するため従来の事業者向け調査に加え、全建総連などと協力した当事者向け調査を予定。建退共の掛け金納付の電子申請方式とCCUSとの連携を周知し利用促進することも確認した。
冒頭に国交省の長橋和久不動産・建設経済局長は「地域の建設企業にメリットのある制度だと明確に示す取り組みを強化する」と表明。今月始まった公共事業労務費調査に触れ「賃金上昇が労務単価上昇につながる好循環の維持に向け加入団体に協力をお願いしたい」と述べた。