建退共本部/電子申請の掛け金納付拡大へ、23年秋までにモデル3地区選定

勤労者退職金共済機構の建設業退職金共済事業本部(建退共本部、岸川仁和本部長)は、2021年度に本格始動した電子申請による掛け金納付方式を拡大する。建設キャリアアップシステム(CCUS)とのデータ連携強化やオンライン申請の拡充、電子申請普及のためのモデル地区設置などに取り組む。モデル地区の設置では秋ごろまでに全国の3地区程度を選定し、それぞれ「電子申請相談員(仮称)」を置く。
建設工業新聞 2023年6月26日
電子申請の掛け金納付が本格始動して2年。従来の証紙貼り付け方式に比べ退職金の積み立てや給付の徹底、事務作業の合理化などに効果がある。建退共本部によると、4月末時点で建退共制度の共済契約者数は17万4801事業所。電子申請申し込み率は9・7%で、電子申請専用サイトのログイン率は5・3%、電子申請による掛け金納付率は掛け金収入額ベースで3・5%にとどまる。
23年度にスタートした第5期中期計画で電子申請の利用拡大に関する数値目標を初めて設定。電子申請サイトのログイン率50%以上、電子申請の掛け金納付率30%以上を目指す。掛け金納付率に関しては23年度で6%以上を掲げる。
これらの目標達成に向け、▽CCUSとのデータ連携強化▽オンライン申請の拡充▽電子申請普及のためのモデル地区設置▽ニーズに応じた説明会の開催▽事務手続きの簡素化-という五つの取り組みを重点化する。
CCUSとのデータ連携では、引き続きCCUSの就業履歴データを活用し電子申請による建退共掛け金納付手続きを効率化。オンライン申請の拡充では25年7月に予定する建退共システムの更改に合わせ、共済手帳の更新手続きなどオンライン申請活用の仕組みを構築する。
モデル地区の設置では秋ごろまでに3地区程度を選定。それぞれ建退共支部の職員やパソコン操作にたけた外部人材ら電子申請相談員を置き、共済契約者からの対面相談などに応じる。ニーズに応じた説明会は8月頃から47都道府県で順次開催する。事務手続きの簡素化では建設業許可番号を基に、全共済契約者の住所や名称の変更といった情報を自動更新するデータ連携の実装を24年度にも目指す。