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    振興基金、コムテックスが連携/電話発信でCCUS履歴蓄積、10月から安価プラン

     建設キャリアアップシステム(CCUS)運営主体の建設業振興基金(振興基金、谷脇暁理事長)とコムテックス(富山県高岡市、竹脇正貴社長)が連携し、電話発信で就業履歴の蓄積が可能な同社の入退場管理システム「キャリアリンク」を安価に利用できるキャンペーンを10月に開始する。CCUS対応の機能に特化した簡易版を提供。システム導入に最低必要となるコストが年額で通常版の10分の1程度となる。
     キャンペーンはカードリーダーが設置しにくい現場でも就業履歴の蓄積環境を整備する取り組みの一環。CCUSとAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携するシステムの中で、技能者が所持する携帯電話で指定の番号に発信するだけで履歴蓄積が可能なシステムはキャリアリンクに限られる。住宅やリフォームなどの小規模建築工事に加え、軌道工事や舗装工事、維持管理工事といった土木工事でも有効なため、導入コストを抑えて普及を後押しする。
     通常版で必要な初期費用10万円(税抜き)と現場の履歴登録数に応じた月額出面課金を振興基金が負担。電話番号の指定数ごとに1セット当たり年額1万5000円(同)を支払うだけで利用できる。通常版は3セット以上の契約が必須だが、キャンペーンでは1セットでも受け付ける。一つの電話番号で複数の現場をまとめて対応できる運用方法も認める。提供期間は26年3月末までを予定。申込数の限度は設けない。
     キャンペーンのプランはCCUS対応に特化した簡易版との位置付け。施工体制登録などの事前準備は不要で、電話番号を設定すれば自動的に利用環境が整う。電話発信による現場入場時の履歴登録だけが行え、顔認証の機能などは付かない。振興基金とコムテックスはキャンペーンの利用者が通常版に移行する際の対応も協議していく方向だ。
     今回の試み以外にも振興基金や国土交通省はカードリーダーの設置負担の軽減策を矢継ぎ早に打ち出す。安価なカードリーダーの利用環境を年内にも整備し、スマートフォンに対応したシステム改修も検討している。

    建設工業新聞 2023年7月4日