CCUS 運用開始から3年/上/単年度黒字化 前倒しで実現/システム更新へ検討本格化

建設キャリアアップシステム(CCUS)の本格運用開始から3年を迎えた。担い手の確保・育成、処遇改善に向けた切り札としての役割が期待される中、当初は赤字運営といった課題に直面してきた。しかし、その中でも登録促進の歩みは着実に進み、黒字化の実現も見えてきた。国が掲げる「あらゆる工事での完全実施」の2023年度まであと1年となる中で、CCUSのこれからに迫る。
建設通信新聞 2022年4月21日
CCUSの運営主体である建設業振興基金が19日に公表した3月末時点の技能者数は前月から2万4618人増えて、85万8768人となった。21年3月末と比べると約28万人の増加。20、21年度と毎年度30万人近いペースで増加を続けており、22年度には100万人を突破する勢いだ。
3月末の登録事業者数は5209者増の16万7198者。そのうち、一人親方を除いた事業者数は3301社増の11万6460社となっている。技能者と同様に事業者も安定して登録数が増えてきた。3月の利用状況は就業履歴蓄積(カードタッチ)数が313万4207回。21年度累計では2735万7591回となった。現場ID登録数は3748件だった。
登録数の増加に伴い利用も伸び、収支も改善。登録・利用料の見直し、コスト縮減策と相まって、21年度の収支見通し(1月末時点実績)は約2億5000万円の黒字となった。料金改定を決定した20年9月のCCUS運営協議会の第6回総会で示した料金改定後の試算「低位推計」では、23年度から単年度で黒字化としていたが、2年前倒しでの実現が見えてきた。
CCUSの運営安定化は建設業界共通の制度インフラ定着に確かな一歩となる。しかし、課題がすべて解決したわけではない。3月に開いたCCUS運営協議会の第9回総会では収支の下振れリスクを懸念する声が上がった。
日本建設業連合会の井上和幸建設キャリアアップシステム推進本部長は「下振れリスクに備え、積極的に活用されるように取り組む必要がある」と指摘。建設業振興基金には費用の厳格な管理の徹底を求め、大規模改修に必要な資金が確保できるように慎重な対応を要請した。
CCUSを維持するためには定期的に改修を行う必要がある。同基金は現行システムのつくり直しと最低限のデータ連携に必要な経費をおおむね35億円と試算した。22年度は前年度比1億5000万円増の5億円を次期システムのために積み立てる計画だ。
ただ、単純な維持だけでなく、メリットを付加する観点からはシステムの機能拡充も検討しなければならない。その際の経費はさらに増大する。また、登録者数が増えるに従ってシステムにかかる負担も大きくなっている。21年度もたびたびログイン障害などが発生しており、システムの安定化も課題だ。
CCUS運営協議会は分科会を設置し、22年度から次期システム更新に向けた検討を本格化する。ただ、単年度ではあるが黒字化のめどが立った運営問題以上に早急に着手しなければならない課題もある。

