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    建専連/8職種・10団体で最低年収の目安提示、請負価格反映へ元下対話を

     建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)は、会員10団体が建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベルごとに策定した職種別の最低年収の目安金額を公表した。担い手不足への危機感を背景に、技能労働者の処遇水準を目に見える形で提示。これを担保する安定的な請負価格の確保につなげる。元請団体・企業の理解を得ていくための対話に注力し、適切な価格転嫁に道筋を付けたい考えだ。
     現時点で最低年収目安を策定したのは▽基礎ぐい工事▽コンクリート圧送▽内装仕上げ▽鉄筋▽とび▽型枠▽左官▽切断穿孔-の8職種・10団体。ほかに検討中の団体もあり、策定職種・団体が拡大する可能性もある。
     岩田会長は「(技能者を雇用する)自分たちの襟を正す意味でも、働き手に見える形で最低年収を示すべきではないかと(団体間で)議論を重ねてきた」と経緯を説明。最低年収を請負価格に反映させる取り組みを推進し「元請の理解を得ていくアプローチをどんどんしていきたい」と意欲を示した。建設業界内部で価格転嫁に関する議論が活発化していけば、民間発注者などの理解を得ていく契機にもなるとみている。
     策定団体の一つとなる日本型枠工事業協会(日本型枠)の三野輪賢二会長は「(元請に)これだけ払えと言っているわけではない」と断りを入れる。各団体が共有する担い手不足への危機感から「これくらいの賃金を支払わないと入職してもらえない」という想定で金額をはじき出した。
     各団体では当初、標準的な請負単価もセットで設定する方向で検討していたが、独占禁止法など法令上の課題から中断した。ただ岩田会長が「(安定的な賃金を)担保するためにどうするかが本質の議論」と話すように、仕事量の繁閑で変動してしまう請負価格を安定化させる仕組みづくりが今後の焦点となる。
     岩田会長は国土交通省の中央建設業審議会(中建審)や「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」の検討課題として、労務費の標準化や「不当に低い請負代金」の基準設定が挙げられていることに触れ、「検討会の議論を注視していきたい」との考えを示した。

    建設工業新聞 2022年10月14日