MENU

    処遇改善へ議論スタート/担い手確保の施策が議題/九州建専連が各県と意見交換

     建設産業専門団体九州地区連合会(九州建専連、杉山秀彦会長)が実施している熊本・沖縄県を除く九州各県との意見交換が、1月31日の大分県を皮切りに始まった。技能労働者の処遇改善に向け、適切な労務費の確保や時間外労働の上限規制への対応などについて実情を訴えた。
     各県との意見交換会は▽適切な労務費の確保や賃金行き渡りの担保▽適切な工期設定と時間外労働規制への対応▽建設業の担い手確保に対する施策--の3項目の共通議題で実施する。この日は、県庁会議室で開かれ、九州建専連からは杉山会長のほか、地元構成団体の代表、県からは土木建築部の中村充宏建設政策課長ら、オブザーバーとして井田悟志九州地方整備局建政部建設産業課長が出席した。
     杉山会長は「2024年は、時間外労働の上限規制の適用や建設キャリアアップシステムの本格運用など、さまざまな制度改革がスタートする働き方改革元年となる。若者が集まる魅力のある環境にするため、若者目線の思い切った施策が必要であり、互いに知恵を出し合い、就労環境を改善したい」と語った。
     議事では、賃上げの阻害要因となる指し値発注や根拠のない値引きなどの廉売行為の排除、適切な労務費などの確保、賃金の行き渡りを担保する措置を九州建専連が要望した。
     県内会員は「設計単価に合わないことが多々ある。資材・運搬費の上昇を見越して単価を上げてくれないと、マイナス分を安全経費などで補わないといけない」「設計単価が上がっても指し値で、不当に安い請負代金を提示する業者もある」「県の設計単価は毎月更新されるが、市町村は早くて半年に1回。災害対応で手が回っていない自治体もある」などと意見した。
     これに対し、県は「標準見積書の活用促進や、安全衛生経費の元請け・下請け間での事前協議の実態調査を引き続き調査する」と述べ、労務費が支払われていない事例があれば指導を徹底するとした。
     週休2日工事について、県は予定価格の段階から4週8休を前提とした積算で実施し、21、22年度の実施率は九州で1位と説明。国が月単位での週休2日の実施に向けて補正係数を見直していることから「国が変えれば補正係数をすぐに反映する」とした。
     県内会員は「週休2日制は日給月給の職人が給料を稼げない。例えば25日働いて25万円もらっている人が4週8休になると20万円になる。この差額を埋めるだけの単価設定が必要」「人手不足でローテーションなどの導入もできない。その日の残業がなくなるように1日の打設数量を減らすしかない」などとした。
     時間外労働の是正にも議論が及び、県内会員は「移動時間が残業に含まれるか含まれないかは大きい」と指摘。移動時間が残業に含まれる場合、現場までの移動時間で超過した分だけ休ませる必要があり、「上限規制に対応すれば人手不足が加速する」とした。九州建専連の事務局は「直行直帰が難しい業種もあり、会社に資材を積みに行って現場に行くと残業になる」と補足説明した。
     県は「国の実態調査を踏まえ、しっかりとアンテナを張って適切に対応したい」と述べた。

    建設通信新聞 2024年2月2日